管理人が初めて買った記念すべきギターです。W-50には、生産時期によっていろいろな仕様があります。カタログでは、表板が①単板スプルース、裏板ローズ合板もの、②表板合板スプルース、裏板ハカランダもの、時々③表板単板スプルース、裏板ハカランダものも見ることがあります。年式によってTF MORRISでも、ヘキサゴンポジションではなく、スノーフレイクポジションものあります。コストによる事情のためか、いろいろと製造時期で仕様が異なりますので、オークション等で購入されるときは注意が必要です。
 本機は購入時単板であることを確かめて購入しました。W-50はMARTIN D-41のスタイルをコピーしていますが、写真を見ると1フレット、17フレットにもヘキサゴンインレイが入っていることがおわかりかと思います。70年スタイルのD-41はここにはポジションマークは無いのですが、実は、購入当初は本機も入っておりませんでした。残念なことに、コストダウンのためか、ポジションマークはメキシコ貝ではなくセル貝でした。(これは非常に珍しい仕様です。)単板を維持するために、ポジションマークでコストダウンを図ったものと推察します。
 D-45スタイルにあこがれる中学生だった管理人は、メキシコ貝を諦められず、MORRIS工場に送り、無理を言って全てのポジションマークをメキシコ貝に替え、更に1フレットと17フレットにもポジションマークを入れて欲しいと注文しました。更にボディー周りのセル貝をアバロンに入れ替えて欲しいとお願いをしました。今考えると相当無理な注文をしたと思います。
 半年以上経って戻ってきたW-50は、ポジションマークは全て注文通りメキシコ貝になっていました。しかし、パーフリングは流石に大修正ということで、“注文は受け付けられない。そして相当な金額がかかります”との返事が返ってきました。貧乏中学生にはそんな出費は出すことが出来ませんから、パーフリングのカスタム化は諦めることとしました。(しかし、いつかは・・・・という思いを胸に秘めて。)時間がかかったことで、ポジションマークの変更にかかった代金は無料にしてくださいました。(MORRISさんありがとう)
 高校生になると、フォログラムシートを加工し、ボンドアロンαで貼り付けて、パーフリングやブリッジのワンポイントをアバロンぽく光るようにもしてみました。(結構良い感じでした)その他ペグをMORRISの純正ゴールドに変更し、弦高はギリギリまで下げ、ピックアップを取り付けました。

40歳を過ぎてから、かぐや姫,アリスの再結成、拓郎のつま恋コンサートと、且つての憧れのスーパースターによる活動が活発化したのを機に、部屋の隅でハードケースにしまわれ続けていた愛機W-50を弾いてみた。既にアンプラグドブームも過ぎていたが、自分の中ではアコギ熱が再燃、そして「パーフリングに本貝を入れてみよう」と決意。ネット社会は便利である。同じ考えを持った人が、既にセルロイド模造貝を本アバロンに入れ替えしている事例をいくつか見つけた。調べてみると、ネットではラミネートの本貝インレイ素材が入手できることがわかり、早速注文。プロのギター職人は、修理の際にはバインディングとパーフリングを外し、インレイを入れる個所を工作機械で溝を作るようであったが、大事な愛機にそのような手を加えることは、素人にはとてもできない。そこで、地道にセルロイドの部分をルーターで削っていくことにした。マスキングテープで保護をし、時間をかけて地道に削ることの繰り返し。段差を極力無くし約一週間で完成。ちょっと見では、初めから本貝があったような出来栄えである。30数年の時を経て、中学生が抱いた願望が叶った瞬間であった。

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